桃色
「ねぇ、タケルって何でピアス7個なの?」

私が聞くとタケルは笑ってこう答えた。

「ラッキーセブンだから!ラッキーなこと起こりそうじゃねぇ??」

「なんだ、そんな意味だったの?」

私がそう言うと、

「なんだってなんだよ?これって、すっげぇ意味なんだぞ!!」

「あはは〜、意味分かんない」


私達は笑い合う。


タケルとはずっと前から一緒にいたからすごく楽だった。

翔さんと別れた深い理由も聞いてこなかったし・・・。


私は、タケルといたら、いつかゆぅ君のことを忘れられるんじゃないかって思ってた。


私の壊れてしまった心も治るんじゃないかって思ってた。


だって、タケルはこんなに私を愛してくれてるから・・・。


でもね、私が思ってたよりもタケルは私を愛してなかった。

いや、始めから愛してなんかいなかったんだ。


タケルとの関係もすぐに終わりが来た。



「俺、他に好きな人が出来た。別れよっか・・・」

「・・・うん」

タケルはあっけらかんとそう言ってきた。

自分から好きって言ってきたくせに・・・。


そう思ったけど、何も言わなかった。

違う、言えなかったんだ・・・。



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