桃色
「水嶋桃子ってどいつ?」

また、私を呼びに来たみたい。

ガラの悪い女が三人いる。

「あの子・・・」

クラスの子も、もう慣れたんだろう。

いつものように、私を指差す。


その女は、私を見て

「ちんたらしてねぇーで早く、来い!!」

そう言った。

「分かったよ!!」

私はそう言って、着いて行く。



人気のないところに連れて行かれ、こんなことを言われた。


「あんた、もう、タケル君いないんだから調子に乗ってんじゃねぇぞ!」

そう言って、私は顔を殴られた。

別に調子に乗ってたわけじゃないけど・・・。


「いつもそばにタケル君がいたから、文句も言えなかったけど・・・。これからはあんた、地獄の日々だろうね。あんたに恨み持ってる奴、ここら辺にいっぱいいるからね。よ〜く、覚えときな!」

女達は笑いながらそう言った。


地獄の日々?

あぁ〜、それは楽しみだね・・・。

いっそのこと、地獄に落ちたいよ。


言いたいことはそれだけ?

タケルがいないことなんて分かってるよ。

それに、殴られたって痛くないんだよ。


私が何も言い返さないので、女達はさっさと帰っていった。


あ〜ぁ、これからこんなことがしょっちゅう起こるんだろうね。

別に、殴られるのは、どうってことないけど・・・。

まっ、どうってことなくとないけど。

それは、ちょっと憂鬱だな・・・。












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