桃色
今まで、昼休みなんていらなかった。

でも、最近は昼休みが楽しみでしょうがない。


梨花と加奈が来てくれて、一緒にご飯を食べてるから。


ずっと昼ごはん食べてなかったから、最初のうちは全部食べられなかったけど、今ではもう、全部食べられるようになった。


「あっ、桃子、今日お弁当じゃん!!」

「うん。お母さんが作ってくれた〜」

「おいしそう!」

3人で笑って楽しく過ごす。



「ねぇ、桃子、千絵ちゃん達と会ってるの?」

梨花が聞いてきた。

「あぁ〜、全然会ってない。なんか、こんな姿じゃ会うの気まずいしね・・・」

3年になってから、私は一回も千絵達に会ってなかった。

「そっか・・・。でも、千絵ちゃん達は特別でしょ?ちゃんと会いなよ〜」

「うん。分かってるけど・・・」


ずっと会ってなかったら、大切な親友でも会いづらくなるもの。

きっと、千絵達なら分かってくれる。


そう思うけど・・・。

実際、千絵達に拒否られるのが一番恐い。


千絵達に愛想付かされるのが恐いんだ。


もう、これ以上、大切な人を失いたくないから・・・。











< 221 / 500 >

この作品をシェア

pagetop