桃色
それから、私はタケルといろんな話をした。

車はそのままどこへ行くわけでもなくただ、当てもなく走らせるだけだった。


・・・そして、海の近くで車を止めた。


二人で眺めた海はあの日、翔さんと眺めた海よりもなんだかとてもキレイに見えた。


「桃子って、彼氏いんの?」

いきなり聞かれてびっくりしたけど、

「・・・いるよ」

そう答えた。

「そっか・・・」

「タケルこそ彼女は?」

私がそう聞くと、

「・・いねぇよ・・・」

タケルはそう答えた。



「タケル、何の仕事してんの?」

「普通のサラリーマンだけど・・・」

プッっと笑ってしまった。


「何がおかしいんだよ?」

「いやぁ〜、あのタケルがねぇ・・・。普通のサラリーマンって・・・」

私がそう言って笑ってるとタケルはいきなり私を押し倒してきた。


そういうとこは変わってないか・・・。


私はそう思って、身をゆだねた。

タケルは私にキスをして・・・。

始めようとした。


でも、なぜかタケルは手を止めた。


「なんで、止めねぇんだよ!!」

タケルはそう言って私から離れようとした。


でも、私はタケルに抱きついた。




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