桃色
「俺、あの時な、お前のことマジで好きだったんやけんな！」

「あの時って・・・？」

「俺らが付き合ってた時や。まぁ、お前は本気じゃなかったみたいやけどな」

「えっ・・・」

私は何も言えなかった。


「あの頃、俺、遊び回ってたけん、お前は俺がただヤリ目的でお前と付き合ってたって思っとっただろ？」

「そんなこと思ってないよ・・・」

「思ってただろ？」

「違うよ・・・」

それだけは、認めたくない。


「好きだから、告ったんだよ。好きだから、俺はお前を抱いたんだよ。分かるか？」

タケルは私を真っ直ぐ見てそう言った。

「あの頃、俺は確かに遊んでたけどな、桃子と出会って俺は遊ぶんやめたんや。お前のことがずっと好きだったから・・・」


・・・本気だったの？？

あの時、タケルは私のこと本気だった？


私はあの時、タケルのことそんな風に見れてなかった。


タケルはあの時、いろんな子と遊んでて、私も翔さんと別れて変になってたから・・・。


優しくしてくれたタケルに甘えてた。

・・・ただ、それだけだった。





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表紙・目次

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