桃色
「もう、いいよ・・・」

なつがそう言って私に手を出した。

「桃子も辛かったからしょうがないよ」

千絵がそう言って手を出す。

「えっ?」

私がびっくりしてると、二人が私の手を握ってきた。


「はい、握手」

なつはそう言って笑う。

「これでもう、おあいこだよ!?」

千絵がそう言って笑う。


「おあいこって・・・?」

「わたし達もさ、桃子の寂しさに気付いてあげられなかったから、これで、おあいこなの」

「そうだよ、ごめん。本当は無理してたんやろ?」

二人にそう言われて私は泣いた。


タケルの優しさ。
千絵の優しさ。
なつの優しさ。

ちゃんと、私の心に届きました。



「明日ね、翔さんに会いに行くんだ」

私は二人に翔さんに会いに行くことを話した。


「ちゃんと、伝えてスッキリしたいから」

私がそう言うと、二人はスッキリしておいでよって言ってくれた。


「それからね・・・」

私がこう思えるようになったわけも話した。


タケルのおかげ・・・。


私がタケルのことを千絵となつに話すと、二人は少しだけ戸惑っていた。



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