桃色
「別に、痛くねぇよ・・・」


優士君はぶっきらぼうにそう言った。


「よかった~・・・」


私は安心していた。


怒鳴られたらどうしようと思っていたから。



「ってか、足・・・」

「えっ?」


そう言われて、足元を見た。


私の足が優士君の足を踏みつけていた。


しかも、思いっきり。



「ごめんなさいっ!!」


私はそう言って、すぐに足をどけた。


「本当に、ごめんね!!」


急いで、しゃがみこんで優士君の靴をはらった。



「もう、いいし・・・」


そう言いながら、優士君もしゃがんできた。


「つーか、そんな汚れてねぇし・・・」


そう言って笑った。



私の目の前に優士君の顔がある。


やっぱり、かっこいいなぁ・・・。


私は優士君に見とれてた。




そんな時・・・


「優士~!!!」


向こうの方から優士君を呼んでいる声がした。


「美鈴ちゃんじゃない!?」


私がそう言うと、優士君はおぅ~と言って美鈴ちゃんのところに行ってしまった。



もうちょっと、一緒にいたかったな・・・。


・・・心の中でそう思った。



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