桃色
私は仕事が終わると、すぐ家に帰って、そのまま千絵の家に向かった。

約束の時間まで、あと2時間もある。

だけど、私はここで待ってる。

ここで、タケルを待ってるんだ。


タケルは約束通り20時になると、千絵の家の前に現れた。

私は、いつものようにこう声をかけた。



「お〜い、タケル〜!!」

「えっ、桃子??」

タケルはすごくびっくりしていた。

だって、私がいるなんて思ってなかったもんね。


「何で?なんで、桃子がここにいんの?」

タケルは私を見て慌ててそう言った。

「千絵となつに頼んでたの。タケル、私が電話しても出ないし。話したいことがあるのに・・・」

私がそう言うとタケルはゴメンと言った。

「ねぇ、ここじゃなんだし、どっか行かない?」


タケルは少し考えてこう言った。

「なぁ、あの海に行かねぇか?」

「あの海かぁ・・・。いいよ・・・」


私はタケルの車に乗り込み、二人であの海に向かった。






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