桃色
タケルは移動中ずっとくだらない話をして私を笑わせてくれた。

いつものタケルだ。

きっと、タケルは私が何も知らないと思ってるんだろうな。


海に着くと、私達は砂浜に座った。



「元彼とどうだった?」

タケルがいきなり聞いてくるから少しびっくりしたけど、私は翔さんと話したこと、それから、なつと千絵と話したことを伝えた。

「タケルのおかげでスッキリ出来たよ!」

「そっか、よかったな」

タケルはそう言って笑った。


「しっかし、その翔さんって人と優士がいとこってのはびっくりやな。桃子はどんだけ、優士のことが好きなんや?」

タケルは呆れたように笑う。

「それは、偶然なの!!でも、タケルのおかげで、真実を知ることが出来たよ」

「じゃぁ、もう俺の役目は終わりだな」


終わり・・・。

なんて、寂しい言葉なんだろう・・・。


「もう、あんなことはしないよ。そうだ、私、仕事も辞めることにした。これから一からやり直すつもり。そう思えたのも、本当にタケルのおかげだから。ありがとうね・・・」

「そんなことねぇよ、もともと、お前はそういう奴だろ?」

タケルはそう言って笑った。


「ねぇ、なんで私からの電話に出なかったの?」


私が聞くと、タケルは仕事で忙しかったからって言った。


本当に?違うでしょ?

本当の想いをちゃんと言ってほしい。



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