桃色
私は何を思ったか、そのままタケルにキスをした。

そして、思いっきりギュッと抱き締めた。

さっきの言葉が、タケルの本音のように思ったから・・・。


そんな私にびっくりしたのか、タケルが慌てる。

「おい!桃子、お前どうしたんや!?」

「タケル、好きだよ。でも、それは友達として。だから、お願い。無理しないでよ・・・。私、タケルのそんな姿見たくない!」

私の言葉を聞いてタケルはこう言った。


「俺、桃子に初めて好きって言われた。でも、友達か・・・。俺はお前のことマジで好きなのにな・・・」

そう言って、私を抱き締めてきた。


「・・・タケル?」

私は、慌ててタケルから離れた。

そんな私にタケルは優しく話してくれた。


「本当に桃子のこと、ずっと好きだった。だから、こうして会った。最後にもう一回だけ、会いたかったんや。桃子の携番、別れた後にすぐ消したし、健二に無理やり聞いてもらってな・・・」

「私もだよ。タケルと別れて、携番消してた・・・」

「俺な、また桃子のそばにおれて幸せだった。桃子が元に戻ってくれてよかった。俺は、まだお前のそばにおりたいけど、もうこれで、俺はそばにおる意味なくなったな・・・」


タケルがそんなことを言うから涙が出てきた。


「何、泣いてんや・・・」

タケルは震えた声で私にそう言った。

「タケル、ごめんなさい・・・」

私はタケルを見つめそう言った。

「謝んなよ。俺と桃子は深い友情の絆で結ばれてるんだろ?」

「えっ、それって・・・」


私がなつ達に言った言葉。


どうして、タケルがそのこと知ってるの?





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