桃色
「ねぇ・・・タケル君から連絡きた?」

なつに聞かれて私は首を横に振る。

「そっか・・・」

「あれから、一年経ったんだよね・・・」


タケルと再会して、私は変われた。

救ってもらえた。


だから、今こうして、私はここにいるのに。


「いなくならないって言ったのに。ちゃんと約束したのにな・・・」

「タケル君ならきっと大丈夫だよ。落ち着いたら、きっと、連絡くれるよ」

なつはそう言ってくれた。



あの日、私を家まで送ってくれたタケル。

あれから、私はタケルに会っていない。

連絡も取れない状態が続いた。

私からの連絡が取れないのはもちろんで、千絵やなつが電話しても出ない。


いなくならないでって言ったのに。

絶対、いなくならないって言ったのに。

タケルは私の前から姿を消した。

結婚話はどうなったんだろう?


もしかして、結婚したから会えないとか?


・・・いろいろ考えた。



でも、タケルはちゃんと考えるって言った。


その言葉を信じて、私はタケルから連絡が来るのを待っている。


だから私から、タケルには連絡してない。


いつか、きっとタケルは連絡をくれる。


そう信じてるから・・・。






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