桃色
「なぁ、卒アル見して〜」

何を思ったのか、タケルがそんなことを言うから、私は卒アルを見せることにした。


「はい!!」

私は、迷わず高校の卒アルを渡す。

「違ぇよ、これは俺も持ってるし。ってか、中学の卒アル!!」

「あぁ、やっぱこっちか・・・」

私は、しぶしぶ中学の卒アルを渡す。



「懐かしいねぇ〜」

みんなで卒アルを見ていく。

「うわぁ〜、桃子、バレー部だったん?ってか、千絵ちゃんもなつちゃんもじゃん!!」

タケルは卒アルを見ながら、一人で盛り上がってる。
私達は何回も見てきたからもう見飽きている。


「うるさいよ、静かに見てよ!」


そして、ページはどんどんめくられていき、個人写真のページになった。


・・・タケルの目が止まってる。

その目は明らかに、ゆぅ君の顔を見てる。


「ふぅ〜ん、やっぱな・・・」

「何か言った?」

「あの写真、やっぱ優士だったんやな」

タケルはそんなことを言った。


「あの写真って・・・?」


私は思わず聞いた。





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