桃色
「お前が、手帳に挟んでた写真だよ。あれってやっぱり優士だったんやな〜」

「はぁ・・・?タケル、見たの?」

「うん」

「最低〜!!いつ、見たんよ!!人のもの、勝手に見ないでよ!!」

私は声を荒げ、タケルをポカポカと殴った。


そんな私達を見て、なつが不思議そうに聞いてきた。


「あの写真って、何のこと言ってるん?」

「実はな、桃子、優士と2ショットの写真、手帳に挟んでず〜っと持ってたんや〜!」

タケルがそう言って、みんなにバラす。

「えっ?」

なつと千絵はわけが分からない感じだった。


「俺、付き合ってる時、見たんや。見たんはホンマにたまたまで・・・。手帳があって、それ取ったら、中から一枚写真が落ちてきてな。そこに男との2ショットが写ってた」

「それが、優士君と桃子だったってこと?」

「そうみたいやな」

「桃子、それって・・・」


私は仕方なく答える。

「うん。卒業式の時の・・・」

「ずっと、持ってたん?」

なつが泣きそうな顔で私を見る。


「うん。手帳に挟んでずっと持ってた。未練たらしいよね。指輪もいまだにしてるし・・・」

私がそう言うと、なつと千絵は泣きそうな顔をしていた。


「好きなら、別にいんじゃねぇの?」

そんな空気を察したのか、タケルがそう言ってくれた。


自分がバラしたくせに・・・。

でも、タケルの言葉が胸に染みてきた。


別にいいよね。


好きでいるぐらい・・・。



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