桃色
「タケルね、今もさ、私のこと心配してるん
 だよ。馬鹿だよね・・・」

「心配ってなんや?」

私は、ここ最近の話をした。


「タケル、私に何も言わないで東京に
 行ってたの。健ちゃんは知ってた?」

私が聞くと、健ちゃんはまぁなって答えた。


「そっか・・・。こっちに帰ってきてからね、
 暇があれば私のとこに来てるの」

「ふぅ~ん・・・」

「私がまた、変な男と付き合わないように
 見張ってるんだよ、きっと。
 暇なんだよね、私と一緒でタケルも。
 もう、そんなことしないって言ったのに。
 ほとんど、毎日会ってるよ・・・」

私がそんなことを話すと、健ちゃんがこんな
ことを言い出した。


「タケルって、今でも桃子のこと好き
 なんじゃないんか?」

「それは、ないない!!絶対にないから。
 私とタケルは親友だし」

「親友・・・?」

健ちゃんは不思議そうな顔をする。


「うん。男と女を越えちゃってるね。
 友情の絆、結んじゃったんだ・・・」

「そっか・・・。まぁ、アイツはいい奴やし、
 仲良くな・・・」

「うん!!」


タケルは本当にいい奴で、これからも仲良く
していきたいと思う。


男と女の友情なんてないっていう人もいる
けど、私はきっとあると思う。

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