桃色
「どしたの?」

私がそう言うと、健ちゃんはここにいろって
私を横に並ばせた。


それから、私は健ちゃんと二人で話をした。

健ちゃんは21歳の時、ちょうど3年前に結婚
したみたい。


「お嫁さんは元気?赤ちゃんっていつ
 生まれるの??」

「あぁ、元気にしてる。生まれるのは
 もうちょっと先だな。
 まだ、妊娠五ヶ月だからなぁ・・・」

そう言って話す健ちゃんは、もうすっかり
お父さんの顔をしていた。


「俺はな、桃子が羨ましいぞ。
 ずっと一人の人のことを思い続けること
 ってそんな簡単なことじゃねぇだろ?」

健ちゃんはそう言って、私を見た。


「ん?どういうこと?」

「今でも、あいつのことが好きなんだろ?
 指輪しとるし、何となく分かる。
 だから、素直になれよ!!」

「素直になれか・・・」


健ちゃんは、なんでいきなりこんなことを
言うのかな??


私には、全く理解できなかった。


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