桃色
「あ~、やっと来たか~!!」

そう言って健ちゃんは遠くを見て大きく
手を振っている。


「えっ、何?誰が来たの??」

私は、そう言って、遠くを見つめる。


「嘘・・・・・」

私はびっくりしすぎて倒れそうになった。

健ちゃんが優しく、私を支えてくれる。

ゆっくりとこっちに近付いてくるのが分かる。


・・・ドキドキしてきた。


緊張して、きちんと前が見れない。

涙が出そうになるのを必死に堪える。




「よっ、優士!!」

健ちゃんがそう呼ぶと、私の大好きだった
あの笑顔がそこにあった。


手を伸ばせば届きそうで、だけど、すごく
遠く感じた。

私は何も出来ずにそこに立ち尽くしていた。



「お前、遅すぎなんだよ!!」

そんな私にはお構いなしに、健ちゃんは
ゆぅ君と話し始める。

「仕方ねぇだろ、遠いんだよ!!」

ゆぅ君はそう言って、健ちゃんと話し始めた。


私、どうしたらいいの??


しばらくすると、健ちゃんは、

「優士と桃子って会うん久しぶりなんだろ?
 ちょっと、外で話しでもしてきたら?」

そんなことを言った。


「えっ??」

私はびっくりした。

なんで、ゆぅ君と二人で外で話さなきゃ
いけないの??

「早く行けって!!」

健ちゃんはそう言って、私とゆぅ君に
外でぇ~って、指を差す。


「分かったよ!」

ゆぅ君はそう言って、私を見た。

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