桃色
「実はこれね、健二が計画したの。
 桃子が同窓会に出るって聞いてから・・・」

「えっ?どういうこと?」

「桃子、この前健二と会ったでしょ?
 その時に、桃子が指輪してることに
 気付いて・・・」

もしかして、あの時に・・・??

「優士君が桃子のことずっと想ってたこと
 知ってたから、二人合わせたら、自分達の
 気持ち抑えられなくなるだろうって。
 絶対よりが戻るって言ってたの!!」

私とゆぅ君は黙って千絵の話を聞く。

「それでね、優士君に絶対に帰って来いって
 言って、みんなにも何があっても絶対来い
 って連絡して・・・。
 わたし達は、そんなにうまくいくかなぁ~
 って言ってたんだけどね」

そうだよ、うまくいくとは限らないもんね。

「でも、健二は絶対うまくいくからって。
 で、桃子に内緒でパーティーの計画
 立ててたの!でも、良かった。
 二人とも、おめでとう!!」

そんな想いがあったんだ。


「ありがとう、みんな、ありがとう!!」

私はそう言って、大泣きした。

隣で、ゆぅ君がしっかり手を握ってくれてる。


「つ~か、お前らキスしろよ!」

健ちゃんが私達を冷やかすと、周りのみんな
がキース、キースって私達をあおる。


「んなこと、ここで出来るかよ!」

ゆぅ君は声を大きくしてそう言う。


「やっぱな。優士がそんなことみんなの前で
 するわけねぇよな~」

健ちゃんがそう言って笑う。

「でも、マジ、おめでとう!お前らすげぇよ。
 ずっと想い合ってるなんてな!」

そう言って、私達を祝福してくれた。


「ありがとう!」

私達は、何度も何度もそう言った。

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