桃色
休み時間になると、梨花が私のところにやって来た。


「梨花ね、1年の時田中君のことが好きだったじゃん?」

「いきなりどしたん?」


いきなり、梨花があの時の話を始めたのでびっくりした。


そして、私は梨花の話を黙って聞いた。


「梨花ね、田中君が桃子のこと好きなこと知ってたんだ。でも、あの時、田中君のことが
本当に好きだったから、あんな事言ってしまったの。・・・ゴメンね。八つ当たりしてた。ずっと、謝ろうと思ってた・・・」

「私こそ、梨花のこと無視してた。ごめん!!」

「いいよ、それは梨花が悪いんだし。それと、梨花ね宏治君と別れたんだ。宏治君、高校生になったじゃん?やっぱり離れるとダメになるみたい」

「そうだったの?でも、私らまだまだこれからだよ!!」


梨花と仲直りして、前よりもずっと仲良くなれた気がした。


「これからは仲良くしようね!!」


梨花と私の約束。


「ねぇ、桃子って好きな人いないの?」

「う~ん、今はよく分かんない・・・」


私はそう答えた。


私がヒロ君のこと好きなこと梨花は知らないのかなぁ?


でも、正直にヒロ君のこと好きだって言えなかった。



それには、少し理由があった。






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