桃色
ゆぅ君は仕事が終わったら、必ず電話して
くれる。

私達はいつも他愛無い話をする。


「今日、正がな・・・」

正君っていうのは、ゆぅ君の仕事仲間で、
一番の友達らしい。


「正が水嶋に会いたいって言ってたぞ」

「え~?私、大阪行こっか?」

私がそう言うと、いいよってゆぅ君が言う。


「正、水嶋に惚れたらいかんし・・」

「そんなことあるわけないじゃん!
 私、全然、かわいくないし・・・」

「何言ってんだよ!
 水嶋はすげぇかわいいって。
 だけん、俺、心配やし・・・」

そんなことを言われると、照れる。


「心配って・・・?」

「他の男がちょっかい出さねぇかとか・・・
 色々な・・・」

「そんなことあるわけないじゃん!!」

私がそう言うと、ゆぅ君は、んなことある
んだよってまだ言う。


「私は、ゆぅ君だけだからね!」

「俺もだって・・・」


私達は、バカップルみたいだ・・・。

こんな恋愛したことないよ・・・。

相手がゆぅ君だからだね、きっと・・・。

私にとって、たった一人の愛する人。



私のたった一つの愛だよ。

< 349 / 500 >

この作品をシェア

pagetop