桃色
ゆぅ君はそんなに私のこと想ってくれてた。

私のことを想ってくれてたから、
他の人なんて見てなかったんだね。


でも、私は・・・。

私はそんな風に過ごせてなかった。

本当はゆぅ君のこと好きなのに、
忘れようとしてた。

ゆぅ君以外の人のことを好きになった
こともあった。

寂しさから逃げるために、
好きでもない人と付き合ったりしてきた。

心を満たすために、いろんな人と
抱き合ってきた。


・・私の身体は汚れてる・・・。


今まで、何度抱かれたか分からない。

私、何人の男達に抱かれてきたんだろう?


そんな自分が悔しくて、腹が立つ。

でもゆぅ君の過去の話は嬉しくて・・・。

ゆぅ君もずっと苦しんでたのに、
ゆぅ君の一途な気持ちを嬉しいと思う
自分が許せなくて、自分の過去が
やりきれなくて。


私は思わず涙を流した。


「水嶋、どうした?大丈夫か?」

ゆぅ君はそう言って、泣いている私を
引き寄せてくれる。

「ゆぅ君・・・。ごめんね・・・」


私、ゆぅ君が想っているような
女じゃないよ・・・。

私の過去を知れば、きっと幻滅すると思う。

でも、言わないといけないよね?

ゆぅ君だって、私に話してくれたんだから。


私は大きく深呼吸をした。


そして、話し始めることにした。


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