桃色
「同窓会をするってことしか聞いてなかった
 んだよね・・・」

あの時、まさか、ゆぅ君と再会するなんて
私も思ってもなかった・・・。
 

「そしたら、前日に健二君から、パーティー
 することになったからって聞いてね。
 何なんだろう?って思ってたんだよ。
 どうせ、ドンちゃん騒ぎだろうな~って
 思ってたんだ・・・」

「それ、私もです・・・」

「そしたら、あなたと彼の素敵なカップルを
 みんなで祝ってて、それも9年も離れてた
 のに、ずっと想い合ってたなんてね・・・」


お店の人・・・。

私達より、少し年上なのかな?

優しそうな男の人。


「本当にすごく感動したんだ・・・。だから、
 またあの彼のパーティーをしたいんだって
 聞いた時はすぐにOKしたよ。また、素敵な
 パーティーになるんだろうって思ったから。
 そこに、僕も一緒に祝いたかったから・・・」

そう思ってくれたことがすごく嬉しい。

「私の方こそ、こんなにお世話になって、
 すごく感謝してます。あの日がなかったら、
 私達、また会うことなんてなかったと
 思います・・・・・。
 こんなに親切にしてもらって、本当に
 ありがとうございます」

嬉しくて、また涙が零れた。


「まだ、泣っきよんかぁ~」

健ちゃんがやって来て、私を慰めてくれる。


「だってぇ~、みんな優しいから~」

ますます、涙が止まらないよ・・・。


「どしたの?桃子、まだ泣いてるの?」

「マジで?」

千絵やなつも心配して私のところに
来てくれる。


「嬉し涙やってぇ~!!」

健ちゃんがそう言うと、みんな笑った。


何で、こんなに優しい人ばかりなんだろう。

これじゃ、私の涙、枯れちゃうよ・・・。

< 386 / 500 >

この作品をシェア

pagetop