桃色
ついに、ゆぅ君のおかえりなさいパーティー
の日。


この日をすごく楽しみにしてた。


私は主役のゆぅ君と一緒に会場に
向かっている。

この日のために、また黒いワンピースを
買ったんだ。

あの同窓会の日のワンピースは、
学校の門を飛び越えた時に、ボロボロに
なってしまったから・・・。


「あっ、そうだ! 
 先に学校に寄りたいんだけど・・・」

私がいきなりこんなことを言うもんだから、
ゆぅ君はびっくりしてる。


「えっ、どしたんや?」

「いいから、いいから・・・」

私はそう言って、ゆぅ君の手を取って
走り出す。


案の定、学校の門は、閉まってた。


「あ~、やっぱり門閉まってる・・・」

「また、登る気か?」

ゆぅ君は少し呆れた顔で私を見る。


「登るよ!あっ、でも服、破れたら困る。
 これからゆぅ君のパーティーなのにね」

「じゃ、帰りにまた来るか?」

ゆぅ君はそう言ってくれた。


「でも、ダメなの。
 今、行かないと!!」

どうしても、今、行きたいの・・・。

「でも、どうすんだよ・・・」

「ん~・・・」


私は考えた。


でも、いくら考えても答えが出ない。

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