桃色
「そろそろ、他の奴らのとこ行かねぇとな」

「そうだね」


たくさんの人が来てくれているから、
主役のゆぅ君は大忙し。

私も一緒に来いって言うから、ゆぅ君に
ついていろんな人のところに回らないと
いけない。


・・・・・結構、大変だ。


「大森も山田もありがとうな!
 ついでにタケルも来てくれて
 ありがとう」

「俺は、ついでかよ・・・」

タケルはすねたように呟く。



「んで、健二の奴はどこに行ってんだ?」

「本当だね、健ちゃんどこにいるんだろ?」

なんて、私とゆぅ君が話している時だった。



「あ、あ、あ~、皆様~、おくつろぎのところ
 すみません。今日は俺のダチの優士の
 ためにこんなに集まってくれてマジで
 ありがとうございます。えぇ~、ここで、
 本日の主役の優士から一言、挨拶が
 ありますので、聞いてやってください!」

健ちゃんがマイクを持って、ステージから
そんなことを言っているのが見えた。


「はぁ~?あいつ何言ってんだよ!
 俺、そんなこと一言も聞いてねぇよ!」

「私も、聞いてないよ・・・」



一体、どういうことだろう・・・?



「おい、優士!!
 桃子とイチャついてねぇで、早く来い!」

「別に、イチャついてねぇし!」


そんなことを言いながら、ゆぅ君はステージ
の方へ行ってしまった。


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