桃色
一体、どういうことなの？

タケルには、彼女がいない？

私と会うとダメって？


頭の中がこんがらがってきた。

私は、理解できなくて、隣にいる
タケルの顔を見た。


なんかタケル、複雑そうな顔してるし・・・。


「タケルもいつもあなたの話をしてたけど、
　健二も私と付き合ってた時、いつもあなた
　の話ばかりしてた。
　二人とも、同じだよね」

「同じって・・・？」

「健二だってそうよ。
　もう、結婚してるみたいだけど、
　あなたと会うの辛いはずよ。
　それに、あなたには今、彼氏がいるん
　でしょ？だったら、もう、タケルや健二と
　会うのやめなさいよ！」

「えっ・・・？」


私はびっくりして、何を言ったらいいのか
分からなかった。


何で、そこに健ちゃんが出てくるわけ？

奈々さんは、そんな私のことなんて
お構いなしに、話を続ける。


「タケルも健二も一緒よ。
　いつもあなたのこと守ってたんだからね」

「・・・・・」

私は、何も言えなかった・・・。



「ってか、そんな話はすんなよ！
　今は健二のことは関係ないだろ？？」

タケルがとうとう、話を止めた。



私、分かってしまったよ。

・・・さすがに、奈々さんが言いたいことが
分かった。


健ちゃんがずっと好きだった人って、
ずっと想ってた人って・・・。

信じられないけど・・・。



ただ、私の目から大量に涙が流れた。

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