桃色
しばらくして、私は梨花と一緒にトイレに戻った。

すると、さっきまでそこにいたはずの2年の不良達とヒロ君はいなかった。


二人で掃除をすませて帰ろうとした時、私達の前に1人の男子が現れた。

その男子を見て私はすぐにやばいなって思った。


案の定、その男子はこう言った。


「ちょっと、話があるって呼んでるんやけど・・・」


はいはい、分かりましたよ。

私はそう思いながらチラっと、梨花を見た。


すると、梨花は顔を真っ青にしていた。


私はそんな梨花を見てこう言った。


「私ちょっと行ってくるから。梨花、ここで、待っててくれる?」


そう言って梨花を見た。

梨花は何も言わずにうつむいていた。


私はそんな梨花を一人ここに残しておくことも心配だったけど、呼ばれたし、仕方なく
その男子に付いて行くことにした。


すると、予想した通り、さっきタバコを吸っていた不良達が私を待ち構えていた。



1人の不良が言った。

「ぶりっこすんなよ~!!」


すると、ほかの奴らも次々に言った。

 
「いい格好しぃ~が!」

「調子にのんなよ!!」

「上から言われとんや!あんたをシメろって!!」


何人か束にならないとこんなことも言えないのかと思った。


だけど私は、梨花のことが心配だったから、不良達の言うことなんて頭に入ってこなかった。


怖いとも思わなかった。


でも、最後に言われた上から言われとんやって言葉が頭にひっかかった。




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