桃色
「それから、エリカさんのこと本気に
 なったの?」

「まぁな・・・」

健ちゃんは、正直に話してくれた。


「俺、エリカに出会ってなかったら、今、
 どうなってたんやろうな・・・」

今、健ちゃんは何を考えているのだろう?

少しだけ、切ない顔をしている。


「エリカさんみたいなキレイな人お嫁さんに
 もらって、健ちゃんは幸せ者だね!」

「あぁ、俺は幸せ者じゃ!!」

健ちゃんはそう言って、笑った。




「わりぃ、遅くなった」

そう言って、ゆぅ君とタケルが帰ってきた。


「水嶋、大丈夫か?」

ゆぅ君が、心配そうな顔で私を覗き込む。

「ん?診察のこと?異常なしだよ。明日も
 安静にしてたら、もう大丈夫だって!」

「あ~、マジで?よかった~」

ゆぅ君が安心したような声を出した。



「ほんだら、後は二人っきりにしてやるか!」

「ホンマやな、俺ら帰るわ!」

健ちゃんとタケルはそう言って帰って行った。


「ありがとうね~!」

私は、二人にお礼を言った。


そして、この夜も、私はゆぅ君に手を握って
もらって眠った。


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