桃色
「健二と連絡取ってないってホンマか?」

帰ってくるなり、ゆぅ君に聞かれた。


どうも、様子がおかしい。

怒ってるみたい・・・。


「えっ?」

「健二から聞いたわ。水嶋から、意味不明な
 メールが来て、それから電話してもメール
 しても返事がないって」

健ちゃんから聞いたの?

だって、前みたいに会えるわけないし、
連絡も出来ないよ。

私はうつむいたまま、何も答えなかった。


「なぁ、水嶋、聞いとんか?健二、お前に
 電話しても出てくれんって言いよったぞ。
 すげぇショック受けてるしな。それに、
 タケルとも連絡取ったり、会ったりして
 ないんだろ?それって何でなんや?
 俺のせいか?」

「違うよ?何で、ゆぅ君のせいになるの?
 別にどうでもいいでしょ!?私が他の
 男の人と会わない方がいいんでしょ?」


ゆぅ君に当たっても仕方ないのに、
当たってしまう。


「俺、別に健二やタケルと会うなとか
 言うてないだろ?
 連絡ぐらいしてやれよ」

「無理だよ・・・」

「なんで、無理なんや?」

「何でも!無理なものは無理なの・・・」


話が進まなくて、ゆぅ君がイライラし始めた。


「何でか、わけを話してほしいんやけど!
 何でも話すって決めただろ!?」

「ただ、面倒なだけだよ・・・」


私は、そっぽを向いて冷たくそう言った。

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