桃色
ちょうど、この頃、美鈴ちゃんが優士君を呼びにうちのクラスに来なくなった。


そんな日もあるか、私はそう思ってた。


そしてそれと同じ頃からだったかな?

違うかな?もっと前だったかな?



気付けばいつからか、健二君が私に話しかけてくるようになっていた。

って言っても、たいした話じゃなくて、ただ、名前を呼んだり、からかってきたり。


初めの方は、人見知りってこともあったし、あまり相手にしてなかったけど、あまりにもひつこくて、だんだん話すようになった。


しかも、最近は私のこと『桃子』って呼ぶんだよ・・・。


俺、お前のこと『桃子』って呼ぶから、俺のことも『健二』って呼べって言われた。

なんて勝手なんだろう・・・。


さすがにそれは無理だから、『健ちゃん』って呼ぶことにした。


今まで話したことさえなかったから、どうしたんだろう?って思ってた。


たぶん周りのみんなも変だなぁ~って思ってると思う。




「桃子~、ちょっと、こっち来い!!」


何だか分からないけど、いきなり廊下にいた健ちゃんに呼ばれた。


「・・・何~?」


私は不機嫌そうに健ちゃんのいるところまで行った。




健ちゃん、あの頃私は健ちゃんに救われていたんだよ。


健ちゃんがいたから笑えてたって言っても過言じゃないよ。





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