桃色
「それからもね、タケルはずっとそばにいて
 くれて。ゆぅ君のこと応援してくれたの。
 でも私ね、タケルの愛情を感じて、何度も
 このままタケルと付き合ってしまおうか
 って思った。タケルに、甘えてた・・・」

「・・・・・」

「タケルに言われたんだ。あの時、俺は本気
 で桃子のこと愛してたって。だけど、
 桃子は俺を見てなかったよなって。
 私はちゃんとタケルを愛せてなったんだ」

それからは、誰とも付き合ってないこと。

ずっと、ゆぅ君のことだけ想ってきたこと。

私は正直に話した。


「昨日、ゆぅ君が言ったでしょ?私に電話した
 ら、タケル?って何度も呼んでたって・・・」

「うん・・・」

「ハタチの時、タケルと再会した時ね、タケル
 は私のこと救ってくれた。だけど、その時、
 タケルは、自分のことで苦しんでたの」

「えっ・・・?」

「私は、タケルのこと救ってあげたいって
 思ってたの。でも、それから、タケルは
 急にいなくなって・・・」

「どういうことだよ?」


いきなり、タケルが消えたこと。


何の連絡もないまま・・・。


だから、あの電話がタケルだと思ったの。

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