桃色
「そうだよね・・・。いつまでもあの頃みたい
 にはいられないよね・・・」


少しだけ、寂しかった。

あの頃は、みんなと毎日一緒に過ごしてた。

でも、今はそれぞれの道・・・。


もしかしたら、この先、こうやって会うことすら
なくなってしまうのかもしれない。


「俺が変わったんは、桃子のおかげやで!」

いきなり、健ちゃんがそんなことを言った。

「ん?何が?」

「俺な、桃子に出会って変わったんや」

ん?それはどういうこと・・・??

私が意味が分からないというような顔をして
いると、健ちゃんが話し始めた。

「桃子と一緒におるようになってから、なんか
 優しい気持ちになったっていうか・・・。
 ケンカとかアホらしいなって思うように
 なった。優士も同じやんな?」

健ちゃんはそう言って、ゆぅ君を見た。

「うん。俺も一緒や!」

二人がそう言ってくれて、嬉しかった。


「俺もやからな!俺も、桃子と一緒におって
 変わった。昔もそうやし、今もそう思うし」

「・・・本当に?」

タケルは、ホンマにって言ってくれた。


なんだか、嬉しくて泣きそうになった。

そんな私を、千絵となつが慰めてくれる。


「あぁ~、もう!みんな、そんな嬉しいこと
 言わないでよ!何か、楽しい話してよ!」


私は、そう言って、みんなを見回した。

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