桃色
「水嶋、泣いてねぇで早く座れよ!」

ゆぅ君に手を引かれて、私は机の前に
座った。


テーブルの上には、私の大好物のパスタや
ピザやケーキなんか、いろんなもので
いっぱいだった。


「これ・・・。もしかして、ゆぅ君が作ったの?」

「ケーキ以外は、全部な!」

嬉しくて、嬉しくて、また泣いてしまった。


「ほら、ちょっと待ってろよ!」

ゆぅ君がそう言って、立ち上がり、どこかに
行ってしまった。




「あれっ?」


電気が消された。

ゆぅ君が戻って来て、ケーキにささってる
ロウソクに火をつける。


「水嶋、25歳おめでとう!」

「ありがとう!!」

「早く、火、消せって!!」

「えっ?ハッピーバースデー歌って
 くれないの・・・?」


私がそう言うと、ゆぅ君は仕方ねぇなって
言って、歌ってくれた。


幸せだよ・・・。


こんな誕生日、生まれて初めてだよ。


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