桃色
今までの私には、誕生日なんて
特別なものでもなんでもなくて、こうして、
祝ってもらうことなんてなくて・・・。

家族と一緒にケーキを食べて、プレゼントを
もらって・・・。

いつも、そんな感じで終わってた。


ただ、一つ年を取るだけだった・・・。

だけど、今日は、本当に素敵な誕生日だよ。



「ありがとう・・・」


それから、私達は、ゆぅ君の手料理を
食べ始めた。


「ゆぅ君、すごいよね。
 これ、全部作ったんでしょ?」

「まぁな・・・。
 水嶋、これ、全部食えよ!」

ゆぅ君がそう言った。


「こんなに食べれるかなぁ~?」

ゆぅ君張り切ったのかな?

どう見ても、これ、5人分ぐらいだよ・・・?


「水嶋、お前よっけ食べてもっと太れよ!
 丈夫な子ども産まないかんのやけんな!」

「何~、それ・・・。
 ゆぅ君、子ども好きだもんね!」

「だけん、全部食えよ!」

「がんばります!」


私達は、面白可笑しく笑った。

< 487 / 500 >

この作品をシェア

pagetop