桃色
そして、誕生日プレゼントと言って、
ゆぅ君が私に贈り物をくれた。


小さな白い箱にピンクのリボン。

あの告白の時と同じ・・・。


忘れもしない、忘れたことなんてない。


初めてもらった時と同じ。

初めて渡した時と同じ。


・・・中身は、ピアスだった。


「なぁ、このリボンなんでピンクか
 分かるか?」

「えっ・・・あれでしょ??」

私は、わざとそう言った。


「なんだよ、あれって・・・」

ゆぅ君が、呆れたようにそう言う。


「桃子だから、桃色って意味なんでしょ?」

もちろん、覚えてるんだからね!

「そうだよ。覚えてたか?」

「覚えてるよ・・・。去年は私があげたし!」

「そうだったか?」

「嘘・・・。ゆぅ君、覚えてないの?」


本当に、覚えてないの?

私は、少しガッカリした。


「ってか、覚えてるしな!」

「覚えてるんじゃん!!」

私達は笑った。



まるで、あの頃のように・・・。


あなたがいるから、私は笑って
いられるんだよ。


あなたにもずっと笑っていてほしいと思う。


もちろん、私の隣で・・・。

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