桃色
私は秘密の恋にしたかったのに。



このところ、ゆぅ君から私へのラブ目線がとてもすごかった。


ゆぅ君は硬派なんだって思ってたのに・・・。


周りのみんなもだんだんゆぅ君が私のことを好きだってゆうことに気付いていった。

私はゆぅ君の視線と同じぐらいみんなからも痛い視線を向けられていた。


「あの子のせいで美鈴ちゃんが振られたんでしょ?」

「あの二人を壊しやがって~!!」


ゆぅ君と健ちゃんは最近、授業にちゃんと出てる。


それは、クラスのみんなから陰口を言われている私を守るためなんだって、健ちゃんがこっそり教えてくれた。


「おっ、優士と健二、ちゃんと授業出てるな。関心関心!!」

「当たり前だろっ!中学生活もあとちょっとだしな~」


そう言って健ちゃんが笑った。


そう言えば、ゆぅ君と健ちゃんって前はほとんど授業に出てなかったよね。




・・・そしてある日の授業中、左後ろからの視線が痛い。


私は思わず左後ろを振り向いた。


振り向いた瞬間、私は思わず目をそらした。

そして、振り向いたことを後悔する。


だって、その視線の先には私の大好きな人がいたから・・・。


そんなに見ないでよ~!!

心でそんなことを言いながら・・・。


みんなに気付かれるやんか!そんなことさえ思った。

本当は嬉しくてたまらないのに・・・。


・・・・何で私なの・・・・・?


いつまで経っても、この言葉が私の頭の中にいっぱいだった。



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