桃色
「いきなり、ごめんね?」


私はゆぅ君の顔をそぉ~っと見て言った。


「おぉ~」


ゆぅ君は少し照れながらそう言った。


「ここ、座る?」


私は、少し段差が出来ているコンクリの上を指差した。


「おぉ~」


ゆぅ君はそう言ってそこに座った。

少し離れて私もそこに座った。





そして私は話し始めた。


本当に心臓が飛び出るかと思うぐらい緊張した。

そして、まず口に出たのはこんな言葉だった。



「・・・元気?」


毎日会ってるのに・・・。


「俺は元気やけど、水嶋は?」


ゆぅ君も同じように聞き返してくれた。


「うん、元気だよ」

「そっか・・・」





二人の沈黙がしばらく続いた。


でも、その沈黙は私にとって、決して嫌なものじゃなかった。


何も話してなくても、ゆぅ君と一緒にいれる時間だけで幸せだった。

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