桃色
「もうそろそろ、行く?」

「そうだな~」


もう、掃除の時間になっていた。


本当はまだ一緒にいたかったけど、戻ることにした。


だけど、離れたくない!!そう思ってるから、なかなか帰れなかった。

先に行ってもらおうと思ったけど、ゆぅ君が先に行けって言ってきたり・・・。


その繰り返しがしばらく続いた。


「ゆぅ君、先行っていいよ」


私はそう言ってゆぅ君の背中を見つめた。


「水嶋が先行けって、俺、後から行くし」


ゆぅ君がそう言うので、先に行くことにした。


「じゃ、行くね。今日いきなり呼んでゴメンね。でも、話せてよかった。ありがとう!!」

「おぉ~」


私達はそう言って、戻っていった。





ねぇ、あなたは・・・。

私が聞きたかったこと理解してくれた?


本当はね、こう聞きたかったの・・・。


私のせいで、嫌な想いしてない?

私のせいで、無理してない?

私のせいで、しんどくない?


私がいるけど、学校楽しい?

私のこと好き?



分かんないよね、きっと。

こんなの、誰だって分かるはずないもん。


でも、ゆぅ君の答えは全部、私にとって嬉しい答えだった。


それにね、最後に言い直してくれたでしょ?


学校、俺も大好きかも・・・って。


偶然かもしれないけれど・・・あれ、すごい嬉しかったよ。



< 67 / 500 >

この作品をシェア

pagetop