桃色
「健二、お前、うっさいわ!」


ゆぅ君にそう言われて、健ちゃんは頭を叩かれていた。

私はそんな二人を見て笑っていた。


やっぱり、楽しい。


ゆぅ君と健ちゃんと一緒にいるとすごく楽しい!!


私はずっと思ってたことを聞いてみた。


「ねぇ、二人は高校入試受けないの?」

「受けんよ~!!」
「受けねぇよ」


二人は当たり前だろみたいに言った。


「じゃぁ、卒業したらどうするの?」

「俺らは働くんや」


健ちゃんはそう言った。


「ゆぅ君も?」


私は思わず聞いた。


「俺も、卒業したら働く」


その言葉を聞いて私は少し寂しくなった。



もし、二人と同じ高校に行けたら、楽しいだろうなって思ってたから・・・。

せっかく、こんなに仲良くなれたんだし、もっと一緒にいたいって思ってた。


でも私達、卒業したら違う道歩くんだね。


そう思うと、本当に少しだけ寂しくなったんだ。


私達はしばらく話していた。


ふと、何気なく周りを見ると、他の生徒達がチラチラこっちを見てることに気付いた。

ゆぅ君と健ちゃんと一緒にいると、目立っちゃうんだよね・・・。


ゆぅ君は、ほとんど坊主ってぐらいの髪でしかも茶髪。

健ちゃんは、茶髪に金髪のメッシュが入ったロン毛。


・・・目立って、当然だよね。


そんな二人に比べて、私は普通に黒い髪・・・。


「私、そろそろ行こっかな~」


私はそう言って、掃除場所のトイレへと向かった。
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