桃色
「何でも、話してよ」


千絵にそう言われた。

私は話したいことが山ほどあったけど、どれから話したらいいのか分からなかった。


すると、なつがこんなことを言い始めた。


「やっぱ、なつが言った通りだったやろ?」


私と千絵は顔を見合わせて何が~?って聞いた。


「だけん、三宅ヒロが水嶋のこと好きってこと。さっきもそうやし、トイレのときも助けてくれたんやろ?」

「うん。助けてくれたのは事実だけど、別に好きだからってことではないと思うよ。ヒロ君はあの子達と友達だから・・・」

「でも、桃子、私のとこ来て話してくれた時、三宅君のことスーパーマンみたいだったって言ってたじゃん?」

「それは、だってその時本当にスーパーマンみたいだったんだもん!!嬉しかったんだもん!!」


私がそう言うと、二人は笑っていた。


「水嶋は幸せ者やな」

「何で~?」

「だって、二人の男に愛されて~」


なつがそう言ってからかう。


「でも、それが時には辛いんだよねぇ~」


千絵がそう言って私を見る。


「で、どうするか決めたん?」


私は前と同じで、どうもしないよと笑った。


もう、どうすることも出来ないんだ。

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