桃色
「じゃ、行くか!」

「うん!!」



私とゆぅ君は二人で、あの秘密の場所に向かった。


・・・何か話あるのかな?

私はそんなことを思いながらゆぅ君の隣を歩いていた。


気付けばゆぅ君と二人で並んで歩くの久しぶりだね。

いつもは、健ちゃんも一緒だったから。


二人で、あの日のように少し段差のあるコンクリの上に座った。


「ここ、久しぶりやな~」


ゆぅ君は懐かしそうだった。


「うん。ちょっと前のことなのにね。すごい懐かしい・・・」


私もすごく懐かしく感じた。



すると、いきなりゆぅ君が言った。


「水嶋、ちょっと手ぇ出して」


私がびっくりしていると、ゆぅ君はポケットから小さな箱を取り出した。

小さな白い箱にピンクのリボンがついていた。


そして、ゆぅ君は真剣な顔で私を見た。


「俺、ずっと前から水嶋のこと好きだった。辛い想いもいっぱいさせてきたけど、これからは俺が守っていくし。大切にする。マジで好きやから・・・。これ、受け取ってほしい・・・」


そう言って、小さな箱を私の手の中に包み込んでくれた。


私の目から、涙がこぼれた。

嬉しくて、嬉しくて、涙は止まらなかった。



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