お一人様


その晩、私達は一つになった。


そして眠りに落ちる───


が、真夜中3時前にけたたましいサイレンの音で目が覚めた。


「…バイトだぁぁぁ…」


健太郎はノソッと起きて着替えると出かけて行った。


私は健太郎が眠った後メイクを落としたので素っぴんを見られたか気になっていた。


「暗かったし…大丈夫だよね。」


私はまた眠りの世界に落ちた。



────…


翌朝、健太郎宛に連絡帳を書いた。


"仕事に行ってきます。冷蔵庫にオニギリ入れときました。食べてね。帰りは何時になるかわからないからメールする。"


我ながら単調な文面。


今までの彼氏達には「冷たいよ」と言われ、振られた事もあったっけ。


私は私。


でも、健太郎には少しずつ素直になれてる気がする。




< 12 / 36 >

この作品をシェア

pagetop