お一人様


「で?珍しく、アンタが誘ってきたって事は何かあったんでしょう?」


出された水を一口飲み、美保は好奇な目で早く話せと言わんばかりの視線を送ってきた。


「あ〜…うん、実はさぁ…」


───…

「何て贅沢な悩みな訳?」
一通り、健太郎と付き合っている事、同棲の話や今の悩みを話し終えると美保は頬杖をつきながら言った。

「贅沢じゃないよ…切実だよ…あたし、ニキビとか何年か振りに出たのよ?!映画だって、全然観に行ってないし…部屋でもビシッとしてなきゃだし…」

あたしが溜め息混じりに俯くと美保は不思議そうな顔をして言った。

「てかさ、真理は何でそう思った事を相手に言えないのかな?私にはズバズバ文句言ったりすんのにさ。」

「え…?ん―…嫌われたくないから…かな…」


あたしがボソッと答えると、美保が呆れた声を出した。


「またそんな事言って!!だから真理は男に冷たいだ、つまらんだ言われてフラれんのよ!!」


美保がそう言った時、ママさんがパスタとサラダを運んできた。


「まぁまぁ、熱弁は腹ごしらえしてからね!さぁ、お食べっ!!」


ママさんの一声で一旦話は中断し、新作パスタを食べる事にした。





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