平安物語【完】



分かっているのです

私も尚仁様も。


紅葉の上は、残念ながらもうお長くはない


姫宮は入内なさる


尚仁様は姫宮をこの上なく大切になさる


そして、姫宮を中宮におつけになる



分かっているのです



でも、目を背けねば心を保てぬ事もあるのです


今の私と尚仁様のように―…



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