平安物語【完】



「弘徽殿女御殿?」

尚仁様が、必死で胸元を整える私に笑顔で仰います。

―目、目が笑っていないわ。


「私と麗景殿の宮とは、叔父と姪の関係でいることにしました。

そりゃ、初夜には夫婦の契りを結びましたが…」


びくんと、心臓が気味悪く跳ねるのを感じました。

そんな事、分かっていても聞きたくなかった…



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