平安物語【完】
そのまま私の頭を撫でようとなさいますので、横に動いて避けました。
すると一つ溜め息をつかれて、
「私は、ほぼ間違いなく宮より先に死ぬでしょう?
いえ、その前に出家するかもしれません。
そうしたら、宮には誰か愛する人と再婚させてやりたいと思っているのです。
愛し愛される事を知らずに一生を閉じるのは、あまりに不憫…。
これが私の本音です。
信じて頂けましたか?」
と仰いました。
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