平安物語【完】



この三月弱の間に、一度だけ麗景殿の宮様を弘徽殿へお招きしました。

その時拝した宮様からは、確かに非処女の雰囲気は感じられませんでした。

もちろん喪失していらっしゃるのでしょうが、もうご本人がお忘れだという事なのでしょうか―

幾分安堵して、可愛らしい宮様と他愛ない話を楽しみました。



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