平安物語【完】



「…そう。」

私は、薄い微笑みを浮かべてそう言いました。

そんな私の様子を見て、乳母は嗚咽を上げて泣き始めました。

女房達の話し声や泣き声も、少し大きくなります。

いつも注意する乳母が泣き崩れているので、仕方なしに私が

「そんなに泣いて、縁起でもない。

声が外に漏れたらどうします。」

と声をかけました。



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