平安物語【完】



宮様のお屋敷も立て込んでいるらしく、遣いをやってもろくな返事が貰えないため、私はもう何十通も尚仁様や梅壺更衣殿と文を交わしていました。

お互いに、趣味を凝らすこともせず、ただ居ても立ってもいられない気持ちを語り合うだけの文です。

梅壺殿は左大臣様と通じているため、逐一様子を知らせてくれます。

ただもうはらはらと、寿命の縮む想いです。



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