平安物語【完】



「あなたと頭中将とは、強い縁がおありのようですね。」

入るなり、尚仁様が私の目を見ずに仰いました。

私は何の答えようもなく、ただ俯いているしかありません。


――私だって、会いたい訳ではないのに…



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