平安物語【完】
すると尚仁様は声を上げてお笑いになって
「帝位についたというだけで、私の性格まで変わると思っていたのですか?
私自身、心持ちの変化の無さに驚いているのに。
まあ、どうしたって忙しくはなりますが…あなたが恐れる程の変化があるものですか。」
と仰って、肩を震わせながらお笑いになるので、私は恥ずかしいやら腹立たしいやらで
「そんなにお笑いにならなくても。
私は本当に不安でしたのに、酷うございます。」
と言ってそっぽを向きました。