平安物語【完】



「そんな…お礼なんて言って頂ける立場ではございません…。

私は、一昨日の夜に、あの者から女御様への畏れ多い横恋慕を聞かされておりました。

なのに、諦めるよう説得しきることが出来なかったのです…。

それどころか、昨夜の無体な振る舞いを見逃してしまったのです。」

そう言って、さめざめと泣き始めました。



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